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Chelsea Garden
建物全体を地形と庭園に見立てた3棟1団地の共同住宅です。
都心の田園都市を考えています。
打ち放し外壁の目地にはステンレス板を打ち込んでいます。
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『Chelsea Garden』
Chelsea Garden
田園都市
20世紀末の時点で田園とはかけ離れた広尾の一角に東京の田園都市を考えた。田園都市とは、元の言葉を辿ってガーデンシティ、庭園的な住宅を考えている。庭園とは言え、一種低層住宅専用地域の更地に、収支上の目的を担って建設される賃貸住宅である。共同住宅で敷地の法的容量を満たしながら、なお各住戸が「庭園なるもの」の価値を享受し得なければならない。そこで、「自然」に対する「建築」ではなく、自然に代わる建築を考えた。建築が地上に立つのではなく、建築が第二の地形に成るのである。各住戸はそれぞれの位置から、建築の作る地形に接すればよい。都市の地形を大地の形態ではなく、土地に人工的な物や制度が作るヴォリウムと考え、セットバックされたテラスや道路につながるスロープを自然の代用品とした都市の人工庭園がこの住宅にとっての自然となるのである。
建築物は、一団地の認定を受け、地下でつながれた3棟から成る。地下階のレベルは等しいが、棟毎に変わる地下階の階高によって、微妙に変わる周辺の地形に連続する。地上部分は西側がセットバックし、東側がオーバーハングする。
建設時点で行政上は水路だった東側周辺の街区は、擁壁の上に二層三層に切り立つヴォリウムを作っていた。それに対し西側の周辺は斜線制限に対しては後退していた。それらに対し、ずらして重ねた建築物は、外部の西側には空の、東側にはアイレベルの空間の広がりを作っている。セットバックは地上階に留まらず、ドライエリアを介して一階の住戸が地下の居室とメゾネットとなっている。ずらされたヴォリウムに対して、水回りや配管経路は垂直に計画されるため、全ての住戸プランが異なることになった。外部の大半ははステンレスの板を打ち込んだコンクリートの打ち放しである。周辺を映す目地は周辺環境とのオプティカルな連続性を作るだけでなく、昼間の田園的な姿が一転して気障な夜の装いに変わって見えるギミックでもある。